さよならお兄ちゃん結婚寸前で、婚約者が謎の失踪を遂げた。その15歳の妹・紫野を引き取って暮らし始めた23歳の青年・隆之介。兄になかなか心を開こうとしない妹と、妹にどう接していいのかわからない兄。それでも、残された者同士の絆はゆっく りと育まれていく――。 そして7年が経った春の夜、ふたりは最後の晩餐を迎える。紫野から静かに明かされる秘密。
それは、15歳だった彼女が生きる ために選ばざるをえなかった、悲しい嘘だった。
姉妹の境遇、失踪した姉、残された妹。切ないです。見守る兄がこれまたなんてお人好し。続編「キセル」も完結済。